比較文明学とは?

 比較文明学研究分野においては、厳密な意味での伝統文化が存在しなくなった現在において、近代化の多様な実態と問題性を歴史的・地域的な比較研究を通じて明らかにし、近代化の学説史的反省、理論的分析を通じて、経済的先進地域(西欧、一部は日本など)における現代文明の困難な状況を問う。近代的理性の自己批判、ナショナリズムとの批判的対決、共同性の基礎づけ、ナショナル・アイデンティティと自己意識などが当面の問題点である。日本研究にかんしては、なによりも近代日本の知識人を悩ませてきた西欧的合理性対日本的(もしくは東洋的)感性といった対立図式の破壊が当面の課題である。

 研究・授業の具体的なテーマは以下のとおりである。1)グローバル化の過程における社会変動、2)日本と西洋における知識人の役割、3)近代化の「光と陰」、4)マックス・ヴェーバーとその同時代人たち、フランクフルト学派のメンバー、丸山真男など代表的な社会思想家の著作の研究、5)記憶の媒体(映画、写真、博物館、記念碑など)の分析。

比較思想史、世界史、文明論、近代化論、社会思想